双姫 IV 番外編


外は快晴。

だが、車内は静まり返っている。


「琉駕、先にお花を買わなきゃ。」


「そうだな。」


車を停めさせ、
近くにあった「flowerGarden」と
書かれた花屋に入る。


カランカラン…


「いらっしゃいませ〜!」


息を吸うと、
色んな花の香りが鼻をくすぐる。


「朱音、どの花にする?
こんだけあったら迷うなぁ〜!!」


『花……。』


あの花はあるんだろうか。

私と蒼空が好きな白くて綺麗な花。


『カサ…ブランカ……。』


「これじゃないか?」


父さんが指を差す花は求めていた花。

花束を受け取り、
思いっきり吸い込むと鼻の奥がツンとした。


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