双姫 IV 番外編
あれは…僕の誕生日だったかな。
『あ〜あ…憂鬱(ゆううつ)だなぁ。』
一応、財閥だから毎年誕生日に
盛大なパーティーを開かれる事が嫌だった。
「可愛い顔が台無しだけど、
何をそんなに落ち込んでるの?」
この時は既に朱音が女だって事も
『双姫』って事ももうバレてた。
「今日は燐の誕生日だからだよ。」
類って誕生日覚えてたんだぁ〜!
「え!?おめでとう!!
でも、なんで嫌そうなの…?」
普通なら祝って貰ったら嬉しいけど、
あのパーティーは形だけで
本当は各会社の腹の探り合いだから
嬉しいと思えなかったんだよね…。