双姫 IV 番外編
トクン…
聞こえるのは朱音の心音。
「嫌な夢でも見た?」
『うん…。』
「怖かった?」
『…うん。』
でも、もう怖くない。
直に触れるとここに居るって分かるから。
「暖かいね。」
聞いた事のある台詞に思わず頬が緩む。
『そりゃあ、生きてますから…。』
身体は俺の方が大きいのに
不思議と包まれている感じがして、
いつの間にか眠りについていた。
その時見た夢は悪夢とは違って
とても暖かい夢だった。
狼の拠り所 THE END