双姫 IV 番外編
『……やっぱり、あの人苦手。』
視線に気付くなんて本当に人間?
カタン…
腰掛けてた椅子を元に戻し、部屋から出る。
『でも、もう充分。』
自分で言うのもなんだけど、
記憶力は良い方なんだよね。
慧ちゃんと通った道を帰りながら
これからの事を考える。
『紘にぃが教えてくれないなら
父さんの所で鍛えて貰うわよ。』
ねぇ、紘にぃ。
私がどうして神崎家に来たと思ってるの?
蒼空の仇を取る為だよ?
なのに、邪魔するなんて許さない。