双姫 IV 番外編
悠華side
カリカリカリカリ……
凄い勢いで文字を書いて行く
新たな娘の様子を見る。
「朱音…?
そんなに焦らなくても良いのよ??」
『………………。』
聞こえない程に集中しているのか
ノートが文字で埋め尽くされる。
確かに財閥の令嬢として
覚えなければならない事が沢山ある。
でも、詰め込み過ぎも身体に毒だわ!
「しゅお……ッ!?」
休憩させようと声を掛けた時に
朱音の瞳を見て寒気がした。
何も、何も見えていないかの様に
ひたすらぶつける事の出来ない苛立ちを
文字を書く事で紛らわしてる。
この子は…既に闇に復讐に捕らわれてる……。
悠華sideEND