双姫 IV 番外編


『父さん……言わなくても分かるでしょ?』


その証拠に少し迷ってる顔をしてるもん。


「朱音…お前の言いたい事は分かってる。

ここに来た理由も
養子として神崎の姓になった事も
全ては復讐を果たす為。」


言いにくそうに話す父さん。


『そうだよ。
それだけが…今の私を作ってる何もかも。』


それが無くなってしまったら
私は、きっと……狂ってしまう。


『父さん、初めて会った時に私に言ったよね。
「苦しむだけなら誰でも出来る」って。

ねぇ……苦しい…苦しいよ。
私から今、生きる意味を奪うの……?』


" 重要なのは
それを自分の力に出来るかどうか。

朱音、お前にその気があるなら鍛えてやる。
決めるのはお前だがな。"


「ッ!!」


『これは、私が決めた事なの。
だから!お願いだから止めないでッ!!』


お願いだから…。


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