双姫 IV 番外編
琉駕side
苦しそうに顔を歪め、
懇願する朱音を見詰める事だけしか出来ない。
『父さんッ……!私に喧嘩を教えて!!』
初めて会った日の言葉。
あれは、嘘で言ったんじゃない。
でも…今は。
「しゅ…おん。」
お前は俺の娘だ…。
これ以上、傷付けたくない!
『神龍』に行かせたのも
少しでも憎しみが薄れるかもと思ったから。
駄目なのか…。
お前は闇から抜け出せないのか??
" 私から今、生きる意味を奪うの……? "
俺は朱音の頼みを
真っ向から否定する事が出来なかった。
琉駕sideEND