双姫 IV 番外編
琉駕side
「琉駕……。」
「あぁ…分かってる。」
悠華に言われ、朱音に目を向ける。
一瞬も手を止めず書き続ける朱音は
何かにとり憑かれたかの様にも見える。
許せないか…妹を殺した奴らが。
「…悠華、朱音を組の方に連れて行こうと思う。」
「そんな事したら事態は悪くなるかも
知れないのにあの子に喧嘩を教えるの!?」
「朱音が俺達の所へ行くと決めたのは
それが目的だろう。
元々俺が焚き付けておいて
何も教えなかったらそれこそ朱音が傷付く。」
これは、与えられた試練なのかも知れない。
「……酷な試練だ…まだ小さいのに。」
椅子に座る小さな背中にのしかかるものは
あの子にとって大き過ぎる。
琉駕sideEND