双姫 IV 番外編


真っ暗な闇の中、
白いワンピースを着た蒼空が
こっちを見て微笑んでる。


『蒼空ッ!!』


走っても走ってもその手は空を掴むばかり。


「おねぇちゃん……ごめんね。」


そう言って蒼空は私に背を向けて
どんどん闇の中を進んで行く。


『待って…駄目……行かないでッ!!!』


独りにしないで。


蒼空を追って、私もその闇に身を沈めた。


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