双姫 IV 番外編


『結局、無駄足だったな〜。』


すっかり日が沈んだ道を歩いて帰る。

『嵐王』の総長さんには
少しだけ嘘の情報を流して貰った。


" 女じゃなくて男って書いといてね。 "


" ほ、他には? "


" うーん…あ、暴走族って通り名あった方が
覚えやすいんでしょ?

『双姫(そうき)』って書いてて。"


" 変わった通り名だな。 "


『私と蒼空は双子。
蒼空がお姫様なら私もお姫様……。』


白いワンピースを着た時に
そう言って笑い合ったよね。

仮面に触れて前を見据える。


『ここからが本番だねぇ〜♪』


頑張らなきゃね。


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