贄に光を
「いや、待て最後まで聞け。お前ら、SからDクラスの授業内容とEクラスの授業内容が違うことは知ってるな?」

「えぇ、自習形式で行うと聞きました。」

「あぁ、その通りだ。それと、お前らの1個上の学年の元E無能力者連中が全員能力持ちになったことも知ってるな?」


だから、なんだと言わんばかりの表情を浮かべるサン
ローダはもうほとんど分かっている様子

もちろん、私も


「…つまり」


口を開いた私に視線が向く


「今からの生活次第で無能力者から能力者になることが可能だ…と?」

「ふっ…簡単に言えばその通りだ。能力は自己防衛の為に発生前であっても強制発生する事ができるんだ。厳しい特訓をつめばてめぇらだって底辺から抜け出せる。」


まぁ、去年の学年の奴らのことは新聞に載ったぐらい異例だから、お前らの頑張り次第だけどなと付け加え、カリュレ先生はニヤリと笑った

能力が欲しいのならば、死をも恐れぬな
…そういう事ね…
先生とは思えない発言だわ
だけど…


「私は乗るわよ、その話」


能力の発生を何もせず待ってなんかいられない


「面白そうじゃない。私達が底辺止めて、見下す奴がいなくなったときのエリートさん達。」

「あはっ!ユリは相変わらず涼しい顔して凄い事考えるのだ!あたしも乗るのだ!!」


待ってばかりは性に合わないと笑うメイ


「そうですね。僕も見下されるのは嫌いです。」

「わ!私も!!能力が欲しい!!」


乗った、と手を挙げたローダとフウナ


「まぁ、俺もエリートの野郎共の驚く顔をみてみてぇわ。」

「…乗った…」


不敵に笑うサンに、変わらず無表情のレイ



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