贄に光を
ユリア side.


結局、皆で校内をうろつく事になり、私達は全員で教室を出た


「流石に広いわよね、この学園。」


廊下に全員が広がってもまだまだ人が通れるくらいだ


「そーいえば、ユリはどこを目指して歩いているのだ?」

「え?どこも目指して無いけれど?」


そう言うと思い思いの方向を向いていた全員が私を見る


「え、と…じゃあ、ここはどこか、とかも、分かんない感じ、かな…?」


私は、元々タレ眉のまゆを更に困り眉にゆがめ、ワタワタするフウナの頭を軽く微笑みながらふわりと撫でた


「私達の教室から、北へ30歩、西へ325歩、歩いただけの距離だから、大丈夫よ。」


すると先程と違った驚き顔を向けてくれる皆


「ユリ…相変わらず、その記憶力気持ち悪いのだ…」

「気持ち悪いとは失礼ね。」


私は理解ができないというかのような顔を向けるメイに苦笑いして、再び歩きだした

しかし、頭の機能を停止させる程の寒気を感じて私はピタリと寒気がした部屋の前で立ち止まる

寒気に気付いているのは私とメイとレイだけのようだ
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