贄に光を
1度教室へ戻り再び席に着き、落ち着いたところで3人は不思議そうに首を傾げた


「なぁ、どうしたんだよ、急に。あの部屋がどうかしたのか?」

「…ユリアとメイは、気付いたようだがあの部屋から僅かに冷気が漏れていた。」

「冷気って…!」


淡々と話すレイの言葉で気付いたようにハッと息を飲むローダにメイが正解!と答え話を代わりに続ける


「誰かが、何らかの儀式を行ってたのだ!」

「何らかの儀式…!?」

「えぇ。さすがに、何の儀式かどうかは分からないけれど、あまりよろしくない儀式のようね。」


先程感じた冷気は儀式をするときに必ず出てしまうもの。冷気の強さに比例して、儀式を行う者の想いも強いという。


「冷気が漏れないようにシールドをはっていたようだけど、冷気は私達が気付く程度に漏れていた。かなり想いが強いようね。」

「何の儀式か気になるのだ!呪いの儀式か、蘇生の儀式か、はたまた召喚の儀式か。」


メイの例えにカタカタと震えるフウナ
それと対称的にキラキラと目を輝かすサン


「めちゃくちゃ、面白そうじゃねぇーか!!今からでも見に行こーぜ!!!」


サンは興味津々といったようにバッと立ち上がり教室を飛び出そうとした
しかし、その行動は次に出た言葉に止められた


「いけません!!」


穏やかそうなローダの突然の大声に驚いたのか、サンはその場で転んでしまった
そして、転んでもなお驚いているのか、瞬きをパチパチと何度か繰り返している


「…ローダの言う通りだ。他人の儀式に干渉すると、巻き込まれる。知らないのか。」


サンとフウナはこういう知識が足りないようだ
2人ともよく分からないという顔をしている




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