贄に光を
「まぁ、ローダは危険さを知っているようだし、サンとフウナには追々説明していくとして…」

「メイ、どこに行ったか知らないかしら。」


先程から、姿が見当たらない


「「「「!?」」」」

「あいつ、どこ行きやがったんだ!?」

「…こんな短時間で……」

「さ…さっきの部屋じゃない…よね。」

「メイは危険なことを重々承知しているから多分違うわ。」

「何で、ユリアちゃん、そんなに冷静なの!?」

「とにかく、メイちゃん探しに行きましょう!」


レイまでもが、何かあったのではと警戒し始める始末


「あ、だけど、メイって……」

「なんだ!!ユリ、呼んだか!!」


神出鬼没だから、ひょっこり出てきたりするのよね
幼い時は本当に驚いた


「お、おおおお前、いきなり出てくんじゃねぇよ!!」

「そうだよ!びっっくりしたぁ……」


サンとフウナは相変わらず良いリアクションで見てて楽しい


「で、どこへ行っていたの?」

「ん?あぁ!寮の鍵を取りに行ってたのだ!!そろそろ、下校時間だと思ったからな!!」


ふふんと自慢気に笑うメイにありがとうとお礼を告げてから私は軽く頭を叩いた


「でも、皆心配したんだから、今度から一言言ってからにしなさい。」

「は〜〜い……」


そういえば、寮の鍵のことすっかり忘れていた
寮には期待できないだろうけど


「メイちゃん、ありがとうございます。早速寮へ行ってみましょうか。」


ローダはレイへ楽しみですねと微笑むが、レイは別にと答えるだけ
その2人の会話を聞いて少し切なくなった


「…メイはもちろんだけれど、ローダもレイも…変わらないわね……」

「?…ユリアちゃん、何か言った?」


思わず呟いた独り言に苦笑いして私はフウナの頭を撫でた


「いいえ、何も無いわ。寮楽しみね。」

「うん!」

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