あなたの願いを叶えましょう
「妻が倒れたのに、酒飲んでたのかよ」

ナオシは否定することなくへラリと笑う。

次の瞬間、頭の中で何かが切れた。

「いい加減にしろよっ!」

襟首を掴んで、実の兄を大声で怒鳴りつける。

いつも温厚な弟が切れたもんだから、ナオシは無抵抗のまま呆然と俺の顔を眺めている。

その瞳が、さっき隣に座っていた男の子ものと重なった―――
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