あなたの願いを叶えましょう
「でも、そうゆう誤解を招く発言は自分の首を締めるんじゃないかな」

そしてにっこり笑顔で微笑みかける。

さっきの発言は全て聞かれていたみたい。

恥ずかしさのあまり、一瞬気が遠くなる。

「何しに来たのよ。波瑠くん」

梁川さんは私との言い争いに邪魔が入って不服そうだ。

「部長がお呼びですよ、お義姉さん」

梁川さんはハッと目を見開く。

どうやら、先週の騒ぎを聞きつけて、早速招集がかかったらしい。

「それとつまらない事で言い争いはしないでください。血圧あがるとまた主治医の先生に怒られますよ」

黒澤波瑠は父親が幼い娘にそうするよう優しい口調で梁川さんを諭す。

いつも私には「おい!」とか「ばか!」とか言うくせに。

先輩と言えど、義姉の梁川さんには紳士的に振る舞うところが癪に触る。

所謂嫉妬なんだけど。
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