あなたの願いを叶えましょう
「きっとピッチピチのベトナムギャルズにもモテモテでしょうね」

「ベトナムでは日本人ってだけで、相当モテるから」

ナオシは、私たちがオーダーした空芯菜の炒め物をつまみながら、もっともらしく頷く。

私はぶはーと大きなため息をついて、再びビールを煽る。完全なアウトローだ。

「でもさなんで円ちゃんは、波瑠がベトナム行くって思ったの?」

ナオシは、黒澤波瑠のビールを断りなく飲みながら、大きな目で私の顔をじっと見つめる。

「そりゃあ、黒澤波瑠は我が社の期待の星ですから」

私は自分のことではないくせに、ドヤ顔でいう。

「ベトナムで街づくりを展開する我が社の海外進出が懸った重要なプロジェクトがあるんです。黒澤波瑠は優秀だし、キャリアもぴったりだからいつか海外事業部に引っ張られるんじゃないかって、もっぱら噂されてました」

「へぇ、波瑠って優秀なんだぁ」

私の話しを聞いてニヤニヤ笑いながらナオシが冷やかす。
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