あなたの願いを叶えましょう
……どうしよう、私に引いてたら。

「ナオシさんも優秀な弟を少しは見習ったらどうですか」

不安に駆られて、慌ててナオシに話題を振って空気を変えるよう試みる。

すっかり乗せられた腹いせに、ちょっと嫌味を言ってやった。。

「はぁ?何言ってんだよ。ナオシはーーー」

「確かに」

弟が何かを言いかけたけど、兄が途中で遮った。

「少しは見習わないとな、弟を」

ナオシは頬杖をつきながら、向かいに座る自分に似た弟にちらりと視線を向ける。

「知らぬ間に波留も随分と成長したもんだ」

そう言って自嘲気味に笑った。

「そーですよ。ナオシさんもいい歳なんだからしっかりしないと。カワイイ嫁も苦労してるじゃないですか」

少し、いや、結構いやいや相当図々しいタマだけど。

私は目の前に並んだタイ風春雨サラダのヤムウンセンに手をつける。

ナオシはうーんと唸った。

「円ちゃん、今からでも間に合うと思う?俺が弟に追いつくのは」

ナオシの頭から爪先まで視線を巡らせる。
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