あなたの願いを叶えましょう
同じ沿線に住む私たちは、もちろん帰り道も同じ訳で、並んでつり革に捕まりながら地下鉄に揺られる。
「冨樫って、俺のことがすごく好きだったんだね」
まるで明日の天気を話すかのような気楽さで、黒澤波瑠は大胆に切り出してきた。
「いや別に、そんなんじゃないけどさ」
「じゃあ、なに?」
黒澤波留の大きな瞳に見つめられると、胸のうちを見透かされているみたいで反論出来なくなる。
あれだけ泣いて騒いでたことだし、今更否定するのも無駄だ。
「……ごめん、いきなりで迷惑だったよね」
「そんなことないよ。あの勢いにちょっと引いちゃったくらい」
真ん前に座る若い男性はずっとスマホをいじっていたが、私たちの会話を気いていたのかチラリと視線を上げる。
大学生くらいだろうか。アシンメトリーの洒落た髪型をしている。
「冨樫って、俺のことがすごく好きだったんだね」
まるで明日の天気を話すかのような気楽さで、黒澤波瑠は大胆に切り出してきた。
「いや別に、そんなんじゃないけどさ」
「じゃあ、なに?」
黒澤波留の大きな瞳に見つめられると、胸のうちを見透かされているみたいで反論出来なくなる。
あれだけ泣いて騒いでたことだし、今更否定するのも無駄だ。
「……ごめん、いきなりで迷惑だったよね」
「そんなことないよ。あの勢いにちょっと引いちゃったくらい」
真ん前に座る若い男性はずっとスマホをいじっていたが、私たちの会話を気いていたのかチラリと視線を上げる。
大学生くらいだろうか。アシンメトリーの洒落た髪型をしている。