あなたの願いを叶えましょう
「営業推進課長として、渋谷支店への転属を命ずる」

折原常務は良く通る声で、辞令を命じた。

「はぁぁ?!」

まさかの発表に私は思わず声を上げる。

一斉にグループ中の視線が私に集中する。

やっちまったなー!……そう思った時にはすでに遅し。

「だってさ、よかったな。まどか」

黒澤波留は私に笑顔を向ける。

そりゃもう、これ以上ないってくらいキュートな微笑み。

私のはぁとは完全に打ちぬかれていただろう。

……朝礼中でなければ、の話だけどな。

次の瞬間、フロアにどっと歓声が巻き起こる。

「おい!どういうことだよ?!黒澤!」

ガヤってきた同僚に、黒澤波留は可笑しそうに笑いながらピースした。

まさかの展開に歓声があがる。
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