あなたの願いを叶えましょう
そこにはち黒澤波留の義姉である梁川さんと、片瀬課長の姿があった。

オー、ジーザス……

「あー!いまイチャイチャしてたでしょう!」

真っ赤な顔をしている私を見て、梁川さんが目ざとく突っ込んできた。

「黒澤、唇にグロスついてる」

そして片瀬課長もクールに一言。

黒澤波留はバツが悪そうに手の甲で唇を拭うと、片瀬課長は「しっかりしろー」と、言わんばかりに肩をぽんと叩く。

一階のフロアにつくまで生涯ベスト3に入る気まずさを味わったことは言うまでも、ない。


「もう、会社に行けない!!」

勢いよくワイングラスをテーブルに置くと、私は頭を抱える。

会社帰りに途中下車して、黒澤波留の住む駅にあるワインバーに立ち寄った。

以前も二人で利用したことがあるお店だ。その帰り、少々イチャイチャしちゃったけど。
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