あなたの願いを叶えましょう
ある、あるとも、大ありだ!

そもそも、今日こんな急展開になるとは想像だにしなかったので、ランジェリーはベージュのシームレスを身につけていて色気もへったくれもない。

その上に、明日着ていく服もない。

遥遠くで忘れかけていたけど、お泊りセット的なものも用意していない。

「服なら清美さんが止まった時に置いてったのがあるし、化粧品で足らないものはコンビニで買えばいい」

しかしながら、黒澤波留は私の考えを見越したようにだめな要素を打ち消していく。

「梁川さん、黒澤波留の家にお泊りしたの?」

いくら義姉弟とはいえ、そこは引っかかるところではある。

「お泊りしたよ、ナオシとケンカして何度もね。清美さんが来るといびきがうるさくてなかなか寝付けないんだけど」

黒澤波留が嫌そうに鼻の頭に皺を寄せたものだから、おかしくて思わず声を上げてわらってしまた。

「私はてっきり黒澤波留は梁川さんの事が好きなのかと思ってたけど」

横目で黒澤波留の様子を伺う。
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