あなたの願いを叶えましょう
「私はてっきり黒澤波留は梁川さんの事が好きなのかと思ってたけど」

横目で黒澤波留の様子を伺う。

「勘弁してくれよ……」

黒澤波留は嫌そうに目を細めると。チビリとワインを口に含む。

「清美さんは大切な人だ。幸せになってほしいと思ってる」

だけど、と言って、黒澤波留はテーブルの下で私の手をギュッと握る。

「自分が幸せにしたいのはひとりだけだけど」

そして唇の端を上げてにっこり笑う。

まいった…。私の完敗だ。

私は指をからめて、大きな手を握り返す。

「暑いね。そろそろ波留の家にいこっか」

オニキスみたいな漆黒の瞳をじっと見つめると、黒澤波留は胸に手を当てて、撃たれたふりをする。

「いいんじゃない?今のはかなりそそられた」

耳元でこそりと囁かれると、身体の芯がぞくりとした。

ああ、もう、この際シームレスとかどうでもいい。
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