あなたの願いを叶えましょう
「どうして、黒澤さんが来てるんですか?」

まさかの状況に、鼻の頭に思いっきり皺を寄せ嫌そうな顔をしている私に波留はニコリと微笑みかける。

「花本は体調を崩し、急遽来られなくなりました」

「ええ?!」

昨日まであんなピンピンしてたくせに…!

まさか仮病でも使ったんじゃないでしょうね。

私は眉を潜め不信感満載な視線を向ける。

しかし、黒澤波留は気にとめることナッシング。

「さ、仕事をしましょう」

透かした顔で準備に取り掛かる。

「鞄はそこに置いてください」

「テーブルを並べてください。後パイプ椅子も3脚ほど用意してください」

「アンケートは此方へ」

「ボールペンを取ってきてください」

そして矢継ぎ早に指示を飛ばして来た。

「まず、アンケートについては、子育て世帯を対象に行っていきます。イベント終了後に声を掛けて、このブースに連れ込みましょう」

私は黒澤氏の指示の元、アンケート用紙とボールペンを白いテーブルの上に並べていく。
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