あなたの願いを叶えましょう
「余計な情報は必要ない。結果を述べよ」

「でも、順を追って話した方が臨場感が出るかなあと思って…」

「そんなもんは必要ない」

黒澤波留は食い気味で言い返してきた。

「ダラダラと前置きから話し始めるのは仕事の出来ないヤツの典型だな」

そして余計な一言まで。

「失礼ね!」

私は眉を釣り上げる。

「それでいいヤツはいたのか?いなかったのか?どっちだ冨樫よ」

億劫そうに私をいなして黒澤波留はモソモソとサラダを頬張る。

な、なんてふてぶてしいの。

王子様とは聞いて呆れる。

「……いた」

ボソリと答えると、黒澤波留は大きな目を更に見開く。

そしてその瞳には希望の光が宿っていた。
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