全てはこの図書室から
「…帰ります」


「綾女ちゃんっ!」



そう呼んだ若宮先輩に背を向けたまま私は涙が溢れそうになるのを必死に抑えて図書室から逃げるように出た。



なんで…なんで…



好きな人に気持ちのこもっていないキスをされたことと好きな人がいるくせにキスをしてきた若宮先輩にムカついて…



我慢していた涙が溢れてた。



私が若宮先輩をどんなに好きでも…




どんなに想っても…





私の恋は叶わない。




若宮先輩は私を好きになってくれることはない。
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