全てはこの図書室から
それから屋上にあるベンチに腰掛けた若宮先輩は



「キスしてごめん…」



とひとり言のように小さな声で言った。



「でも、俺は好きな子にしかキスはしないよ」



「嘘ですよ…」


私は、若宮先輩にキスをされたことは忘れたくても忘れられなくて…
考えれば考えるほど、胸がキリッと痛んだ。



若宮先輩は好きな人に振り向いてもらえないからその場にいた好きでもない私にキスをしたんだよ…



「綾女ちゃんは全然分かってない…」
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