旧校舎のお狐様
耳を済ますとな、『た....す..けて』って!
女の人の声だったんだけど、まじで聞こえたんだ!
それで俺、怖くってよー...結局その場から
走って逃げて、そのまま家に帰っちまった」

.....らしい。

ほんとかどうかは分かんないけど
このことがあってから木村くんは
遅刻をしないようになった。

この手の話が苦手な私は、絶対に旧校舎には
行きたくないなーと思うようになったのだ。


* * *

そんなこんなで絶対に旧校舎には
行かされたくないと思いつつ職員室まできた。

あー!早く終わらせて帰ろ!!

「失礼しまーす。田島先生います?」

「お、来たか立川!寝坊するとはいい度胸だな!ははは」
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