お嬢様 × 御曹司
将来への願い -誓い-
バレンタインの日はあっという間に来てしまった。


なぜバレンタインかというと、分かりやすいしたまたま祝日だったからだ。


たけくんからの返事は、[もちろんです。]という短いものだった。


ゆうちゃんに報告すると、「嫌われたと思って落ち込んでるから短いんだよ。だからきにすることない。聖夜らしく!」と言われた。


ゆうちゃんも応援してくれてるし、頑張らなくちゃね!


「…なんだ、男か?」


「今日は自分でコーデしてみました!」って言おうとしてたのに〜!


部屋から出たところでいきなり兄さんに声をかけられ立ち止まる。


確かに、ゆうちゃんと遊びに行く時の服装ではない。


薄ピンクとかしろとかやたら多いし、かなり清楚系で、おしとやかにまとめてみた。


兄さんがそう思うのもおかしくない、というか事実、当たってるし。


でも、兄さんに報告できるわけないじゃない!


「今から告白しに行きます!」とかさ。


私、もう中学生だし?


兄さんや母さんに秘密ぐらい会ったっていいじゃない!


「そんなんじゃないよ!ゆうちゃんのうちに行くの!」


顔を見られたくないので早足で兄さんの横を通り過ぎる。


そのまま階段を駆け下りると、


「たまにはうちに連れてきてもいいんだからな。俺は部屋で寝てるから。」


優しい兄さんの声が降ってきた。


女嫌いの兄さんとは思えない対応に若干困る。


けど、兄弟思いの兄さんは、兄さんらしい。


「ありがと〜」と返事をしながらブーツを履いて、少しだけ暖かくなってきた2月へ歩き出した。


「行ってきまーす!」


無理やり大きな声を出し心の中で唱える。


自分らしく、自分の言葉で!
悩むのは、伝えてからだ!
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