お嬢様 × 御曹司
…嬉しい。


あんなに驚いた後だけど、そのあと一番に出た想いはそれだった。


結婚を前提にだなんて、嬉しい。


私は、この人と一緒に生きていくんだ。


ダメなところも、いいところも2人で、お互いをお互いで、知って生きながら。


まだ中学生だけど、その想いは永遠になると私は思う。


差し出された手は、小刻みに震えている。


まだ、断られるかもしれないと思って、震えているだろう。


私が断る理由なんか…一つもないのに。


私はそっと、彼の手を取った。


「私でよければ、よろしくお願いします!」


彼は私の手を握り返しながら、恐る恐る顔を上げる。


これはまたまた見たことない顔だこと。


「本当に?」


「うん、本当。」


「俺なんかでいいの?」


「私はたけくんじゃないと嫌なの。」


「結婚を前提にしちゃったけどいいの?」


「何回言わせるの?」


今度は私が彼の手を握り返しながら言った。


「私は、たけくんが好きなの。」


「聖夜!」


私はたけくんに腕を引っ張られえ、たけくんの胸の中にすっぽりと収まった。
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