お嬢様 × 御曹司
まあだいたい執事か花を呼ぶときはそうだからね。


「たけくんから旅行のお誘いがきたの。結構近いところだけど。準備の時間が短いし、条件としてメイドと執事が一人ずつつくことと、両親に許可をもらえって。」


そう言いながらLINEの画面を見せる。


確認のため一通りは眺めを通す。


その時間、3秒。


「かしこまりました。本家に帰るときにお母様とお父様にはお話ししましょう。大道寺家なら安心ですし。メイドは私が、執事は…陸か聖に頼みましょう。」


その3秒でそこまでまとめた。


ほんと、頼りになる。


「じゃあ、私は部屋にいるから。朝食は?」


「こちらにございます。」


テーブルの上に置いてあった、きれいに並べられたフルーツ一式のお皿をとって見せる。


私はそれを受け取った。


「あとヨーグルトだけ欲しい。」


「かしこまりました。あとでお届け…」


「いいよ、取りに来るから。」


花の言葉を遮り、階段を登り始める。


少しづつ、花から卒業しなくちゃいけないと考え始めてる。


大人にならなくちゃ。


「優笑さん。ゆっくりしていってください。」


途中で振り向いてそう言って、部屋に戻る。


冷房をつけて人のびし、パイナップルに手を伸ばす。


「おいし。」


一粒食べてから部屋を出てキッチンに行き、花が用意してくれたヨーグルトをもらってまた部屋に戻る。


「10時には勉強始めよーっと。」


そう呟くと同時に、隣の部屋ですごい音がする。


兄さんが動き出したのがわかって、苦笑する。
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