お嬢様 × 御曹司
「えーっと…」


机に向かって、そろそろ三時間が経とうとしていた。


もう午後の1時だ。


大きく背伸びきて背中を伸ばす。


花がこないのは、花も勉強しているからだろうな。


花も来年受験生。


高卒で正式にメイドとして働く人もすくなくないらしいけど、花は大学に進む。


私の将来の幅を広げさせたいという気遣いだと、私はわかってる。


そんなことを考えていると、バタバタと慌ただしい音が聞こえて、扉の前で足音がやんだ。


「失礼いたします。」


焦ってたところは見せずに落ち着いた表情で話し出す。


「申し訳ございません。時間を…」


「いいよ。勉強してたんでしょ。それに、兄さんももう出かけたし。」


うっと言葉に詰まる花。


最近の花は少し溜め込みすぎてる。


私は頼りにはならないけど、花の主人としては、気になるところ。


「…ごめんね。お昼今から作ろうと思って。遅くなっちゃうね。」


友達の花になってくれた。


最近はずっとメイドの花だったから、良かった。


自然と笑顔になる。


「だったら食べに行こうよ。私の友達の家、カフェだから。」


「でも…」


「たまにはいいじゃん?」


そう言って私はウィンク。


とっとと私服に着替えさせて出かける。


その後も出かけて、できることなら花の息抜きになれば、と思ってるなんて、本人に直接言えないけど。
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