お嬢様 × 御曹司
「いつもお世話になっております。」


「いえいえそんな〜。うちの方がお世話になってるわ。なにせ部活に全力投球で、男の子の後輩や友達はよくつれてくるんですけど、女の子の友達は全然見たことがなかったんですよ。だから私も嬉しくって。しかもこんなに可愛い子じゃない?も〜うちの勇輝にはもったいないわぁ。」


「母さんしゃべりすぎだって!」


頭を下げた花を見て、ゆうちゃんのお母さんはさっきの勢いで話し出した。


おしゃべり好きでお客さんとの付き合いがいい。


私が何度かこのお店に来たときに、ゆうちゃんのお母さんについて学んだことです。


「一度見たお客さんの顔は忘れるわけない。」が口癖だとゆうちゃんが言ってたっけな?


ちなみに最近ではそれが当たり前になり、誰がいつ来たかまで把握しているそう。


うちの母さん並みに恐ろしいです。


「ゆっくりしていってね?」


そうゆうちゃんのお母さんに言われ、ゆうちゃんに席を案内してもらう。


花は店の雰囲気が気に入ったらしく、あっちこっちキョロキョロしながら眺めている。


あれ?


そういえば…


「ゆうちゃん、勉強してたんじゃないの?」


受験生だから花火大会に行かないと言っていたから、今も勉強する方が大切なんじゃないのかな?


それに、今日はあんまり混んでる感じしないから。


すると、ブーたれたように愚痴を履いてくれた。


「母さんが勉強より手伝いしろって。どうせパティシエ目指すなら、客への対応を短で学べ!ってね。」


「ゆうちゃんのお母さんらしいね。」


百聞は一見に如かず。


そのことわざの通り、100回聞くより、実際見た方が早いしわかりやすい。


多分、ゆうちゃんのお母さんが言いたいのはそういうことだろうな。


まずは、お客様の声第一。


ゆうちゃんのお母さんが言いそうなことだ。


「結局母さんに言い合いで負けて、手伝わされることにね。でも安心して?頭で数学の公式が永遠と流れてるから。」





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