お嬢様 × 御曹司
部屋を出るとすぐそこに陸がいた。


やばい、愚痴聞かれてたかな?


「参りましょう、聖夜様。」


うん!さすが兄さんの執事。


わかっますなぁ。


叫んだことには一切触れないところがプロって感じだ。


逆に興味がないのかもしれないけど。


「あ、そうでした聖夜様。今回出席される大道寺家の方ですけど…」


大道寺っていうのは、うち系列の会社で、大道寺財閥っていう少し大きめの会社。


日野原財閥と仲がいいっていうか、日野原財閥の中の財閥?とかいう難しい間柄で、日野原財閥の次に権力のある財閥だ。


毎年誰かしら私の誕生祭に出席してくださっていたんだけも…そういえば今年はまだ見ていないな。


何かトラブルでもあった、とか?


「次男の武士さまお一人だそうです。ただ、交通事故の渋滞に巻き込まれて、ようやくただいま到着されたそうですよ。」


タケシ?知らないな。


お兄さんの武蔵さんにはあったことあるけど、なんというかチャラかったなぁ。


あれこそフェミニストって感じ。


はぁ、あれの兄弟か何かが来るのか。


ウゥ、頭がいたい。


「ご挨拶してくださるはずです。」


「わかってる。相手をしろってことね。」


そうツンっと言い放つと、おかしそうに花がわらった。


「聖夜様と同い年の方ですから、お話が合うと思いますよ。」


え、同い年?
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