お嬢様 × 御曹司
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「こんにちは。」


武士が話しかけたのは、聖夜を無理やり連れてきた彼だ。


観覧車から降りてきて血眼(ちまなこ)になって武士たちを探しているところに、わざわざ武士は自分から姿を現した。


彼は、武士の近くに聖夜がいないかを探しているようだ。


「残念ながら、彼女はもう僕が保護したからね。」


「お前、なんなんだよ!俺と彼女のデートの邪魔をしてきやがって!」


その言葉を聞いて武士の顔から笑顔が消えた。


ずかずかと彼に近づき、彼があとずさる。


-ドンッ


彼が壁に背中を当てた時、武士は彼の胸倉を掴み持ち上げた。


体格差は一目瞭然。


彼は宙に浮いている。


「言っておくが聖夜は俺の彼女だ。お前なんかが手を出せる相手じゃないんだよ。もっと言うと婚約者だ。無駄なことはしないことをお勧めする。」


すると息が詰まりそうになっている彼を話す。


彼はそのままひっくり返ってしまった。


その彼を見下してから、武士は笑顔になって吐き捨てた。


「ちなみに、君の名前すら、聖夜は知らないようですよ。一度も君の名前は読んでいませんでしたから。」


「ぇ…」


彼は絶望と恐怖で、その場でうなだれてしまった。


武士はそれを見て満足そうに笑い、その場を後にした。



彼は、聖夜をストーカーしている人の1人に過ぎなかった。


聖夜は気がついていないが、毎日のようにストーカーに遭っている。


それを阻止しているのは他でもないたけしなのである。


ちなみに、武士の言った通り、聖夜は彼の名前を知らなかった。
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