お嬢様 × 御曹司
一つ先の未来へ -1歩-
そんなこんなで、今の所たけくんとは順風満帆な恋人生活を送っている。


私たちは来年度受験生になる。


もう、そう遠い話じゃなくなったのだ。


今日は、付き合って1年目の記念日。


たけくんは、覚えてるかな?


いや、覚えてるよね、今夜にわかりやすい記念日。


だって、私たちが付き合い始めたのは…


-ピンポーン


「はーい!」


私はモニターを見る。


そこに映るのは元気に手を上げているゆうちゃん。


私は急いで玄関に向かい、扉を開く。


「お待たせ!」


「おはよ、聖夜。早速だけどお邪魔しまーす。」


ゆうちゃんはいつもの調子で家に上がった。


「どうぞどうぞ。」


「お兄さんは?」


「いないよ。今日は優笑さんの家。」


私たちは話しながら厨房へ向かう。


初めて私の家に来た時、家のスケールの壮大さにはしゃいでいたゆうちゃんだけど、今じゃすっかり慣れたみたい。


軽く背伸びをすると、袋からエプロンと三角巾を取り出して装着。


私も用意してあったものを同じように身につけた。


花は部屋の掃除をしているので、厨房にいるのは私とゆうちゃんだけ。


「さて、早速作りますか!」


「よろしくお願いします!先生!」


得意げに笑うと、ゆうちゃんはポーズを決めていった。


「もちろんですとも!」


さぁ、初めてのお菓子作りだ!
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