お嬢様 × 御曹司
「なに?私に気触ること言った?」


「いや、言ってない。」


そうはいうものの言い方ぶっきらぼうになったし、顔を戻してくれないし…


何考えてるかわかん何と話しかけようがないんだけど!


私はたけくんの腕を揺すってまだ懲りずに話しかける。


「怒ってないならこっちみてよ!」


やっと嫌そーに振り返ったたけく…


「////////」


私が思わず赤くなってしまうほど、たけくんの顔は赤かった。


「あのさ、聖夜。君は女の子なんだから、男の子相手に誰でも上目遣いはやめたほうがいいと思うよ。勘違いされるから。聖夜、可愛いし…」


フシューーー


私の頭からは多分すごい量の水蒸気が発生していることだろう。


の、聖夜って呼んだ‼︎


か、可愛いって言われた‼︎


もちろん、私は同い年の男の子からそんなこと言われたことないわけで…やだ、すんごい嬉しい。


いや、やじゃないけど…恥ずかしいぞ、これ!


「ご、ごめん。気をつける。でも…」


一つ誤解を解いておかなければならないことがある。


「誰にでも上目遣いするわけじゃない。たけくんにだけ、だから。」


そう呟くと、コツンと頭を軽く叩かれた。


全く痛くない、優しい突っ込み方。


顔を上げると、また赤くなったたけくんが笑ったところだった。


「そーいうの、反則だから。」
< 23 / 161 >

この作品をシェア

pagetop