お嬢様 × 御曹司
《NO SIDE》

「執事・メイドの皆様を集めたのは他でもありません。聖夜様のことについてです。花。」


「はい。」


会場の待合室のとある一室に、ほぼ全ての執事とメイドが集められている。


話を進めている執事に指名され立ち上がったのは、聖夜専属のメイド、花だ。


「聖夜様を何者かが狙っているという情報が寄せられました。しかも、今回のパーティに出席しているものの可能性が高いのです。」


全員が険しい顔になるが、ここで騒がないのがすごいところだ。


1人の執事がまっすぐに手を伸ばした。


進行者がその執事を指名する。


「その情報は誰からのものですか?」


花は、一呼吸置いてから話し始めた。


「日野原財閥の長男。誠様の執事であられます、陸からです。」


陸は、若いが仕事を完璧にこなし、信頼の置ける執事だと、執事の間で噂されている、いわば有名人だ。


そこからの情報となれば、信じるほかない。


さらに、花は顔を険しくして続けた。
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