お嬢様 × 御曹司
プロローグ2 -聖夜 セイヤ-
「ちょっと!どこで寝てんのよ兄さん!」


「ふわーぁ。いいだろ別に。」


よくねーわ!


リビングのソファーで寝る奴がどこにいる!


起きてきて早々声かける私のみにもなってみろ!


しかもお前世間的に有名な日野原財閥の跡取り息子だローが!


「はぁ。」


と、心の中で言ってみるものの、さすがに兄さんが頑張ってるの知ってるし、どうせ昨日は会社の見学に行って父さんにこき使われてきたんだろうし、許してやるか。


「どいて、私もそこ座りたいの。」


「んだよ。今日はやけにはえーな?なんかあんのか?」


「はな〜?」


チリンチリンと机の上に置いてあるベルを鳴らす。


兄さんのことはガン無視だ。


兄さんは金髪に髪の毛を染めて、いかにも高校生って感じ。


顔の作りも良く、身長だって高い。


私でさえ憧れる容姿。


それに加えて、中学生にしてアメリカの大学の卒業。


日本の高校の勉強なんて簡単すぎてあくびが出るぐらいの天才。


運動神経も良く肉付きもいい。


しかも跡取り息子でしょう?


まさに優良物件。


彼女がいない意味がわからないわ。


「お待たせいたしました。おはようございます。」


花は、本名「花咲 花(はなさき はな)」。


私専属のメイドで、女嫌いの兄さんのため、メイドは一人しかうちにいない。


そのため花とは、主従関係はあるにしろ、私の一番の友達だ。


花は中卒でメイドの職業に就いた。


メイドの一族らしくて、高校に行きながらメイドをするのが普通なのだとか。


だから、花は高校1年生で、私と3つしかかわらない。

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