お嬢様 × 御曹司

部屋にガードマンがノックもなしに飛び込んできた。


「なんですか⁈慌ただし…」


そう言った執事の肩を掴んで揺らし、涙目になりながら言い放った。


「聖夜様と武士様が脱走しました！くまなく探しましたが、会場のどこにもいません！」


「なんですって！」


花の叫び声とともに、全執事・メイドの顔がみるみるうちに真っ青になった。


まずいことになる…と、誰もが思ったことだろう。


「執事の皆さんは、周辺の捜索をお願いします。メイドの皆さんは、誕生祭で手渡しした人の中で今日もパーティに来ており、もう会場の外に出た人を探し当ててください！」


花の指示により、執事とメイドが動き出した。




その様子をこっそり覗いていた部外者がいたことを、彼らはまだ知らない。