お嬢様 × 御曹司
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さて、1時間くらいずーっと話していた私たち。


なんとなくさっきから会場が騒がしい気がするのは気のせいかな?


でも、この場所はここに来るまでの道を知らないと、そこが道だと思えないほどの雑草天国だから、執事の人はこっちにこれないよ〜。


「ねぇ聖夜。今更だけど、LINE交換しない?」


そう言って、かっこいい黒のスマホを取り出した彼。


実は、私も言おうと思ってたんだ。


せっかくこんなに仲良くなったんだもん。


繋がりは大事にしないとね!


「もちろん!」


嬉しいなぁ、ほんと。


「はい、できた。」


操作があまり得意ではない私の代わりに、たけくんが2つのスマホを操ってくれた。


LINEの交換ってこんなに早くできるものなんだ。


「見ちゃったんだけど、聖夜ってLINEやってる人少なくない?」


「え?普通じゃないの?」


だって、登録してあるのって父さん、母さん、兄さん、花、陸、聖。


あと、たけくん。


これって少ないのかな?


「同年代が俺だけって…友達は?」


たけくんは呆れ半分の顔。


でも、なんか嬉しそうな顔でもあって。


「友達ねぇ…逆に聞くけど、たけくんは財閥のご子息ってだけでクラスメイトから距離置かれたりしないの?もしくはやたら構ってきてアピールしようっていう親の本性丸出しのやつか。」


「いや〜思い当たる節がありすぎて困るね。」


また恥ずかしそうに頭を掻く彼。


やっぱり似てる。


待遇も、性格も。


「でも友達はいるよ。」


え…


素直な顔でそう言ったたけくん。


「少ないけどね。俺、部活動やってて、その仲間が友達。同年代のやつで、面白い奴多くてさ。俺の立場とか関係なしに、普通の友達でいてくれるやつ。」


「そ、そうなんだ。」


いいな。


羨ましいな…なんて、本音を出せないのは、私の弱さかな?


私とたけくんは似てるけど、多分、たけくんの方が、何倍も強い。


それは、力の差じゃなくて…
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