お嬢様 × 御曹司
「ん!」


次の瞬間、誰かに腕を掴まれ布で口を封じられる。


何かを嗅がされてるんだ!


息を止めなくちゃ。


そう思った時にはもう遅く、意識が遠のいていく。


なんとか、なんとかしなくちゃ!


私はできる限り体を動かす。


それでも、全くと言っていいほど相手は怯まない。


確実に男の人だ。


くっそ…


-カシャン


私は最後の力を振り絞って、スマホを地面に落とした。


なんとか意識をたもつ中、連れ去られるときに、相手がスマホに気がつかなかったことを確認し、私は意識を手放した。


その一筋の希望を、彼に託して。
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