お嬢様 × 御曹司
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目を開けると、うっすらとした光が差し込む。


目を開けても、そこはお世辞にも明るい場所とは言えなかった。


薄暗く、埃っぽい。


動こうとして、ようやく私は誘拐されたことを思い出した。


足は何もされてないが、腕を縛られ、口はガムテープでふさがれている。


私はここがどこなのかを考えた。


誘拐は慣れている。


だから、いつもより今の状態がどれだけ深刻か理解できた。


早く、誰かに知らせなければ、大変なことになる。


私は何もない空間を睨みつける。


決して、相手に隙を見せるな。


誘拐された時、私が一番危険だと思うのは…


「やあ、こんにちは。」



この空間に、犯人がいることだ。
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