お嬢様 × 御曹司
《武士 SIDE》


俺、武士はものすごく焦っていた。


一瞬しか目を離していないのに!


俺がお手洗いに立った時間といえば、1分ぐらいだ。


先ほどの場所までは数秒でつく。


そこに、今聖夜がいない。


待ってるといった聖夜が約束を守らないわけがない。


ということは…


「嘘だろう!」


嫌な考えが頭をよぎる。


俺はすぐに推理を始める。


争った形跡はない。


ということは、不意打ち?


何か残ってるものは…


聖夜のいた場所の地面に張り付き、くまなく探す。


「‼︎」


すると、雑草の中にピンク色の何かを見つけた。


俺は慌ててそれを拾う。


「聖夜のスマホ…」


電源を入れると、すんなりと画面が開いた。


「パスワード設定しとけよ!」


と思いながら、今はパスワードをかけてなかった聖夜に感謝だ。


真っ先に画面に現れたのは、聖夜の位置がわかるというアプリ。


それを知らせるために、彼女はこのスマホを落としたのだろう。


まだ、俺にこのアプリを送る前だったから。
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