お嬢様 × 御曹司
彼女の現在地を確認する。


この公園からは少し離れたところだ。


その距離だと、車を使ったことになる。


計画的犯行…と考えるのが妥当か。


その場所へ行くには車が必要。


俺は会場へ走りだした。


俺が聖夜と会場を脱走したと聞けば、どれだけ父上や母上、執事の後藤に怒られることが、想像がつかない。


しかも誘拐されたとなれば、もはやどれだけの罰が下ることか。


いや、この際俺はどうなってもいい。


聖夜を一刻も早く助けなければ。


「武士様!」


ガードマンをガン無視し、会場に飛び込んで叫んだ。


「後藤!車を出してください!話はあとです!」
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