お嬢様 × 御曹司
「今日はなに着ようかな〜?」


ソファーに座ったまま、花に髪をとかしてもらいながら、鼻歌交じりに声をかける。


花は手際よくセミロングのブロンドの髪をふたつ縛りにした。


「出来ましたよ、聖夜様。」


「うん、ありがと。午後は午後でセットしてね?」


「はい。」


花はメガネをしていて髪型はおさげ。


服はメイド服で、着飾らないけど見劣りしないように。


典型的なメイドスタイルは、主人を映えさせるためのものだとか。


「さ。こんな馬鹿な兄さんは放っておいて、早速勉強しますか。」


ここ最近は舞踏会に参加してたから、全然学校行けてないし。


どっかの誰かさんが髪を染めちゃったせいで、その人の分まで舞踏会に行くことになってるんだから。


「おい!」


どっかの誰かさん。


つまり兄さんに呼び止められて、仕方なく足を止める。


「________。」


兄さんは普段見せない笑顔で言った。


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