お嬢様 × 御曹司
「あなたは友達がいないのですね。」


私は低く首を下げながら相手を睨む。


それが、どうしたっていうのよ。


「いやはや。しかし彼には友達がいる。」


-ズキン…


心の奥が痛む。


もう、それ以上喋らないで…


それが、多分私の本音だから。


「似てる、似てると思っても、彼とあなたは違うことが嫌でもわかったでしょう。」


そう言って、また近づく。


犯人は、仮面をしていた。


顔は、薄暗いのもあり、わからない。


あーあ、こんな時もいたって冷静なんて、強がりかな?


「あなたに、彼を好きになる資格はない。」
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