お嬢様 × 御曹司
一通り話終わって、みんなの言葉を待つ。


「…私たちにも非はあります。」


口を開いたのは、多分この中で最年少の花だった。


驚いて花を見つめると、怒ったような困ったような、それでいて笑顔で私と目線を交わした。


誰も、花の言葉に口を挟まない。


「どうして、聖夜様や武士様がこのような行動に出たのか、思い当たる節がございます。あなたがたは、財閥のご子息といえども、まだ中学生です。無理をさせてしまいました。申し訳ございません。」


私よりもはるかに深く頭を下げる花。


「申し訳ございません。」
「申し訳ございませんでした。」


それにつられるように、頭を下げ出すみんな。


その表情は苦しげで…多分、私にだけ頭をさげているんじゃない。


同じくらいか、私より年上、年下の主人を持つ執事やメイドたちは、彼らに頭を下げたんだ。


それがわかったので私は、どう答えたらいいかわからず困っていると、真っ先に花が頭を上げた。


「反省しているのでしたら、こちらからは責めません。誘拐はあなた方のせいではないのですから。」


花の言いたいことがわかった。


花は、いつでも私をかばってくれようとする。


脱走した私も悪いけど、そうさせた花たちメイドや執事も悪いと言っているんだ。


無理をしていたのは、あなた達も同じなのに…。


「はい。」


私は、いつもどおり、笑顔で頷くのが精一杯だった。


花は、三つしか年が違わないけれど、私からしたら、何倍も大人だ。
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