お嬢様 × 御曹司
「あーもうどうしよう!」


私はたけくんに集合場所も時間も任せた。


集合場所はここから近い神社で、時間は10時30分。


ただいま9時45分。


神社まで30分はかかる。


安心してください、朝ごはんも朝シャンも終わっています。


何をそんなに焦っているかって?


なんと服が決まらないのです。


いや〜こういう時にメイドに頼れないのは辛いよね。


しかも私センスなさすぎ!


「もうほんとどうしよう!」


「朝からウッセー!」


人の部屋の扉をノックも無しで蹴り飛ばして入ってきたのは、兄さん。


妹だとしても女の子の部屋だぞ、ノックしやがれクソ兄貴!


なんで罵る暇もなく大慌てで次から次に服を合わせる。


「あ、お前そんな格好で出かけんのか?警察にお世話になるからやめろ。グハッ!」


真面目な顔でツッコミを入れる兄さんにイラつきクッションを思いっきり投げつけた。


誰がブラとパンツで出掛けるか!


服に悩んでただけだわドアホ!


見てわかるだろ!


「いってーな!たく!」


何しに来たんだか。


部屋から出て行こうとする兄さんに声をかける。


「朝ごはんできてるから。机の上にあるの食べていいよ。」


その辺は兄さんに切れてたとしてもちゃんとしないとね。


飢え死にされても困るから。


「おうサンキュー。」


こんなの兄弟のじゃれあいと思っていただければ。
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