お嬢様 × 御曹司
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「お、お待たせ!」


予定の時間ぴったりに着いた私だけど、たけくんがすでについていた。


「急がなくても良かったのに。」


「ううん!遅刻はいけないでしょう?」


「だいたい女の子は遅れてくるものだと思ってた。」


くすくすと笑う彼。


私は兄さんに言われた服装をきちんと着こなしたつもり。


首元が寒買ったから、桃色のマフラー。


彼といえば、ジーンズを履いて、上はシャツに黒のダウンジャケットを羽織った、いたってシンプルなスタイル。


でも、それがたけくんに似合ってる。


「じゃ、行こうか。」


たけくんが歩き出して、私も慌てて後を追う。


少しかかとの高い靴を履いても、たけくんの頭は私の遥か上。


中学1年生でこの体型って、かなり珍しいよね。


「の、聖夜?」


隣を歩くたけくんを見ていると、たけくんがそっぽを向いて私の名前を呼んだ。


「なに?」


私が覗き込みながら聞くと、手の甲で顔を隠しながら私の方を見た。


その顔は耳まで真っ赤で…


「そんなに見られると、恥ずかしい////////」


私も一気に顔が熱くなった。


「ご、ごめんなさい////////」


誰だって見つめられたら恥ずかしいよね!


私も経験ある。


まあうちの父さんにだけど。


ごめんなさい、ごめんなさい!


「聖夜、可愛いから。」


え?


私は立ち止まってしまう。


それに気がついて、たけくんが振り返ってくれる。


さっきよりも、顔が真っ赤だった。


「何度も言わせるな。今日も可愛いって言ったんだ。」


そのたけくんの顔よりも私の顔が真っ赤になったのは、言うまでもない。


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